唾液の役割について

こんにちは、一宮市浅井町の歯医者『にじいろ歯科』です。
子どもの頃、軽いケガに対して「唾をつけておけば治る」と言われた経験がある方は多いのではないでしょうか。唾液には多様な機能があり、口腔の健康だけでなく、全身の健康にも重要な役割を果たしています。
今回は、唾液の主な役割についてお話します。

唾液の働き

2.消化を促進する（消化機能）

唾液には消化酵素であるアミラーゼが含まれており、アミラーゼは糖質を分解して体内での吸収を容易にします。

3.飲み込みを助ける（咀嚼・嚥下作用）

4.味覚を敏感にする

私たちは味覚を通じて日々の食事を楽しむことが可能です。食べ物に含まれる味成分は唾液に溶け込み、舌の味覚受容体に到達します。唾液が不足すると、味成分が舌の受容体に適切に届かず、本来の味を感じることができなくなり、結果として“味覚障害”を引き起こすことになります。

5.口腔内を清潔に保つ（洗浄機能）

口腔内の汚れを除去する洗浄効果があります。唾液の分泌が減少すると、この効果が低下し、口腔内が汚れやすくなり、虫歯のリスクが高まるほか、口臭も発生しやすくなります。

6.酸によって損傷を受けた歯を修復する（再石灰化機能）

虫歯菌が生成する酸は、歯のカルシウムやミネラルを溶解させます。唾液はこれらの成分を歯に再補充し、修復する役割を果たします。この過程を再石灰化と呼び、これが弱い人は虫歯にかかりやすくなります。
個人差はありますが、唾液は1日に1000～1500mlの量が舌下腺、顎下腺、舌下腺の3つの腺から分泌されています。

唾液の分泌が減少する原因

唾液の分泌が少ないとどうなる？

歯周病になりやすい

通常、唾液の抗菌効果によって細菌の数は調整されていますが、唾液の分泌が少ない場合、細菌が活発になり、歯周病が発症しやすくなります。

虫歯になりやすい

口内炎ができやすくなる

唾液は口腔内の潤滑を助ける重要な役割を担っており、その分泌量が不足すると口腔内が傷つきやすくなります。この状態では細菌が侵入しやすくなり、口内炎が発生するリスクが高まります。

お口の中にカビができる

口腔内には多くの常在菌が存在し、その中にはカビの一種である「カンジダ」も含まれています。唾液の分泌が減少すると、これらの菌が増殖し、口腔内がカビに覆われる可能性があります。

唾液を増やす対処法

口腔内が乾燥した際には、唾液腺を活性化させる『唾液腺マッサージ』が有効です。口の周囲に位置する3つの唾液腺をマッサージすることで、唾液の分泌を促進します。

その他の方法として、以下の点が唾液の分泌を促進することが期待されます。

・定期的に水分を補給する

・しっかりと噛むことができる口腔環境を整える

・口の筋肉を意識的に動かす

・保湿剤を使用する

唾液の分泌は些細な要因で減少することがありますが、少しの意識を持つことで増加させることも可能です。

・国際口腔インプラント学会　認定医

・日本糖尿病協会　登録歯科医

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