妊娠性エプーリスとは？妊娠中にできる歯ぐきの腫れと治療法

こんにちは、一宮市浅井町『にじいろ歯科』です。妊娠中、体のさまざまな変化を感じる中で「歯ぐきにできものができた」「歯ぐきが腫れて出血しやすい」といった症状を経験する方も少なくありません。そんな中でも、比較的多くの妊婦さんに見られるのが「妊娠性エプーリス（Epulis Gravidarum）」です。

今回は、妊娠性エプーリスとは何か、原因や症状、そして治療法や注意点について詳しくご紹介します。

妊娠性エプーリスとは？

妊娠性エプーリスとは、妊娠中にできる歯ぐきの良性の腫瘤（できもの）です。特に上あごの前歯付近や、炎症の起きやすい歯ぐきに発生することが多く、赤く腫れて出血しやすいのが特徴です。

医学的には「妊娠性腫瘍」「血管腫」とも呼ばれることがあり、腫れた部分はプクっと膨らみ、触るとやわらかく、簡単に出血してしまうこともあります。

なぜ妊娠中にできるの？

妊娠性エプーリスができる主な原因は、以下のようなホルモンバランスの変化とお口の環境の悪化によるものです。

1. 女性ホルモンの影響

妊娠中はエストロゲンやプロゲステロンの分泌量が急激に増加します。これらのホルモンは、歯ぐきの血流や毛細血管の拡張を促すため、炎症が起きやすくなったり、組織が過敏になったりするのです。

2. プラーク（歯垢）の蓄積

つわりなどで歯磨きがしにくくなり、口腔内の清掃状態が悪くなりがちです。その結果、歯ぐきに炎症が起こり、腫れが大きくなってエプーリスとなってしまうことがあります。

妊娠性エプーリスの特徴

・直径数mm〜2cm程度の腫瘤

・表面が赤く、出血しやすい

・痛みは少ないが、不快感や出血で気になる

・通常は出産後に自然に縮小・消失することが多い

治療は必要？自然に治る？

妊娠性エプーリスは基本的に良性で、妊娠中に急激に悪化することはほとんどありません。多くの場合、出産後にホルモンバランスが戻ると自然に小さくなり、消えることが多いため、緊急性のある治療は不要です。

ただし、以下のような場合には治療が検討されます：

・出血が多く、日常生活に支障がある

・咀嚼や発音の妨げになる

・腫瘤が大きく、審美的に気になる

・強い炎症や感染の兆候がある

これらの場合は、妊娠中でも安定期（妊娠16週〜27週）に外科的切除が検討されることがあります。ただし、可能であれば出産後に治療を行うことが一般的です。

妊娠中に気をつけたいお口のケア

妊娠性エプーリスを予防・悪化させないためには、日々のお口のケアがとても重要です。

正しいブラッシング

つわりで歯ブラシが苦しいときは、小さめの歯ブラシやフッ素入りのマウスウォッシュを活用しましょう。歯ぐきの腫れがある場合は、やさしい力で丁寧に磨くことが大切です。

定期的な歯科検診

妊娠中でも歯科医院での検診やクリーニングは可能です。妊娠がわかったら、安定期に一度は歯科受診をおすすめします。

食生活の見直し

甘い物をダラダラ食べる習慣はプラークの原因になります。規則正しい食事と十分な水分補給を心がけましょう。

にじいろ歯科からのアドバイス

妊娠中の体はとても繊細です。歯ぐきの腫れや出血に気づいたら、「妊娠中だから仕方ない」と放置せず、一度ご相談ください。

にじいろ歯科では、妊婦さん向けの安全な歯科治療や口腔ケアのアドバイスも行っています。妊娠中の不安を少しでも軽くできるよう、やさしく丁寧な診療を心がけています。

まとめ

・妊娠性エプーリスは、妊娠中のホルモン変化と口腔内の炎症によってできる良性の腫瘤です

・出産後には自然に治ることが多く、特別な治療は不要な場合がほとんどです

・ただし、出血や不快感が強いときは歯科での診察をおすすめします

・妊娠中も適切な口腔ケアと歯科受診でお口の健康を守りましょう

妊娠中でも安心して通える歯科医院として、にじいろ歯科は妊婦さんのサポートを大切にしています。気になる症状がある方は、いつでもお気軽にご相談ください！

にじいろ歯科　院長

歯科医師　澤田繁季

・日本顎咬合学会　かみ合わせ認定医

・日本口腔インプラント学会　専修医

・国際口腔インプラント学会　認定医

・日本糖尿病協会　登録歯科医

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