現在、食生活または環境の変化に伴い、現代人の顔も変化(小顔化)してきています。それにより、歯の凸凹をはじめとする不正咬合(歯並び・歯のかみ合わせの乱れ)が非常に増えて、虫歯・歯周病・うまく噛むことができないなどの問題が生じてきています。
主な不正咬合(ふせいこうごう)と呼ばれる歯並びの問題は以下のようなものがあります。
叢生(そうせい)
乱杭歯(らんぐいば)
歯がデコボコになってしまう歯並びです。原因としては、歯の大きさに対して、顎が狭かったり、歯が大きいために永久歯が生えるためのスペースが不足することで起こります。
過蓋咬合(かがいこうごう)
下の歯の1/3ほどを上の歯が覆うのが正常です。
下の歯が上の前歯で隠れて見えなくなっていたり、上の前歯の裏の歯ぐきに下の歯の先端が接していたりします。
上顎前突(じょうがくぜんとつ)
歯だけが原因の場合・・・上の前歯が前に倒れていたり、下の前歯が内側に倒れていたりするために前歯が出ているように見えます。
骨格的な問題もある場合・・・上顎が出ている場合もありますが、下顎が小さいために上と下の顎のバランスが崩れている場合が多いです。
下顎前突(かがくぜんとつ)
下の前歯が上の前歯を覆うような歯並びです。歯の傾きが原因の歯に限局する場合と、骨格的な問題(上顎の骨が小さい、下顎の骨が大きいなど)の場合があります。早期の治療が望ましいです。
反対咬合(はんたいこうごう)
歯が後ろに出てきてしまうことで、本来咬む位置で咬もうとしても、後ろに出た歯が他の歯と当たり、咬み合わせが、ずれていってしまう場合があるので早めの治療が必要です。
交叉咬合(こうさこうごう)
黄色の丸の部分ですが、本来であれば上の歯が下の歯を覆わなくてはいけないのが、逆になっています。咬み合わせの不良による場合や上と下の顎の大きさの違いにより噛み合せが、横にずれることがあります。このまま成長が進むと、顔のゆがみにつながる可能性があります。
開口
主に指しゃぶりや、舌を前などに突き出したりと日常の習癖によって上下の歯の間に隙間ができる場合が多いです。発音の障害や前歯で物を咬むことができない摂食障害も起こってきます。このまま成長してしまうと、歯だけの問題ではなく骨格的にも問題が起き、治療も困難になるので、早期治療が大切です。
正中離開
永久歯への萌え変わりの際に、上の前歯に隙間ができるのは異常ではありません。しかしその隙間が2mm以上の場合は、自然に閉じてこない可能性が大きいです。上唇小帯が、上の前歯の間に入り込んでいたり、過剰歯(かじょうし)と呼ばれる余分な歯が歯と歯の間に埋まっている可能性があるので注意が必要です。
犬歯低位
顎が小さかったり、歯の大きさが大きくて歯が生えるためのスペースが不足すると、犬歯が歯の並びに入ることが出来ません。外側の位置のままになってしまいます。
八重歯は、唇が閉じにくいといった問題もあります。また、犬歯は、咬み合わせでとても大事な役割を持っていますので、しっかりとした位置で咬み合わせに参加させることが大切です。
乳歯緊密歯列
乳歯では、歯と歯の間にスペースがあるのが正常です。しかし、隙間無く乳歯が並んでいる歯並びをされている場合、後から生える永久歯の方が大きいので、永久歯の重なり(叢生)が出てくる可能性が高いので注意が必要です。